働く人のための最強の休息法【本の感想】

働く人のための最強の休息法【本の感想】

著者は、医師として勤務しながら医学博士号取得、海外留学、MBA取得にチャレンジした数年間の経験で得た考えを伝えたいという思いでまとめられたのだそう。

多忙な中、著者は、左耳に腫瘍が出来て手術。麻痺など後遺症が出て、左目を閉じることができなくなり、ドライアイなど不自由しながら、激務に向かう日々。

バリバリ働くことばかり考えていた著者は、この病気によって、休息法の大切さに気付いたのだと言います。

 

第一の感想としては、医師であることもあり、研究論文などの引用が多く、内容がエビデンスに基づいていることです。単なる所感などでなく、国外・国内のデータに基づいて述べられているので、科学的な点が好みでした。

 

私なりの捉え方、感想を交えながら、新たな気づきなどについて書いています。体系的な書評・レビューや要約ではありません。本に載っていることでも、それまで知っていたことは書いてない部分もあります。

読むだけの本はインプットではなく、「ゼロプット」。書くことが大事なのでアウトプットします。

 

最適な睡眠時間は7時間半? 

米国の研究では、睡眠時間が7時間の人が最も長生きで、8時間でも6時間でも死亡の危険度が上がっているそう。

ノンレム睡眠とレム睡眠のワンセットが90分であることを考えると、90分の倍数である、7時間半が最も良い睡眠ということになる。

眠る時間も重要で夜0時から朝6時を含むことで睡眠の質が上がる。

成長ホルモンの分泌は、午前2時~3時。またはノンレム睡眠(深い睡眠)に入ってから始まり、1時間半~3時間続くのだそうです。

 

 

朝の光を浴びることで睡眠リズムセット

朝の太陽の光で体内時計はリセットされる。朝の太陽の光で眠りを促すホルモン、メラトニンの分泌を抑制する。

メラトニンからセロトニンにスイッチが入れ替わるのです。

この入れ替わりが行われてから、14時間後~16時間後に再び、メラトニンが分泌されるようになります。

つまり、朝の光を浴びて、夜眠るころになると、丁度眠気が出て来るという仕組み。

 

6時間以下という睡眠不足の人では、生活習慣病リスクが高まるそうですが、「不眠」と感じていない短時間睡眠者は、生活習慣病リスクは高まらないそうです。つまり、不眠と感じているかどうか。は大事なようです。

短時間でもぐっすり眠れる人は結構働けるのかも。

 

大事なのは、夜に強い人工光を浴びると、体はまだ昼だと認識するので効率よく眠ることができません。

寝る前にスマホやパソコンを見るのはやめましょう。ベストは90分前には終了。無理でも最低30分前にはIT機器に触れるのはやめましょう。

私もパソコンは夜になると「夜間モード」という赤っぽい画面に替え、更に暗くしています。

スマホの画面も明るさ最低にしています。

 

太古の昔を考えると、人は日の暮れの後は、ローソクとか焚火とか赤い小さな火で過ごしていたはず。

 

戦略的仮眠

午後3時までに30分以内の仮眠をとることが良い。

あまり遅く仮眠を取るのがよくないのは、「連続覚醒時間」によって、睡眠圧が高まることで、眠りにつきやすくなるから。

夕方寝たりすると、夜寝付きにくくなるのは当たり前。

眠い時の5分に満たない短い仮眠でも効果はあるそう。

 

 

カフェインは夕方までに

カフェインは眠りを妨げますが、血中濃度が半分になるのに、3時間~5時間掛かります。本によっては、6時間などと書かれています。眠る時間が22時くらいなら、夕方までに飲むのは終わらせる必要がありますね。

 

積極的休養(アクティブレスト)

運動は心身の健康に欠かせません。

アスリートは、練習計画として、ハードな日、軽めの日、休養日を設定していますが、休養日であっても体をほぐすような軽い運動を行っています。その方が疲労回復が早いからです。

ビジネスパーソンも同様です。

ストレッチやウォーキングなど運動をしてみましょう。

 

脳を含む全身の血行が良くなることと筋肉のケアができます。

運動ができない場合は、お風呂に浸かることでも適度な圧力がかかり、筋肉も刺激され、血行も良くなるのでお勧めです。

 

また、運動の良いことは、精神の安定を促すことです。

別名安心ホルモンと言われる脳内神経伝達物質「セロトニン」が増えます。

ウォーキングなどリズミカルな運動をすると増えると言われています。

ちょっと抑うつな気分の時は、りずむ運動。そして、タンパク質をちゃんと摂取することですね。セロトニンの原料になりますから。

 

自律神経の整え方

自律神経には、リラックスの副交感神経・興奮状態の交感神経がありますが、瞑想などでも副交感神経優位になるだけでなく、「単純作業」に集中することでも副交感神経優位になるそう。

最近はやっている、大人の塗り絵なんか良いですね。

以前カウンセラーの方が、脳が疲れたら手芸をする。と言っていたのを思い出しました。効果があるんですね。

 

 

鶏むね肉には凄い疲労回復物質が

鶏むね肉には、イミダゾールペプチドという強力な抗酸化物質が含まれています。1日100gの鶏むね肉を摂取すると、栄養ドリンクより効果があるとも言われます。

安価で低カロリー。高たんぱくな鶏むね肉。良い事ばっかりですね(^-^)

 

 

脳科学で証明されつつあるマインドフルネス

マインドフルネスとは、ざっくりいうと「今ここ」に集中するということ。雑念を捨てて。

元々は、仏教の瞑想法から来ているのですが、近年マインドフルネスを継続している人の脳画像を見ると、一般人より発達している部分があるということが分かって来ました。

注意力とか、感情の調整をする部分、体の感覚を感じる部分などです。

マインドフルネス瞑想をすることによって、脳も変化するのです。

 

また、過敏性腸症候群などにもマインドフルネスは効果があるとされていますし、最近では、うつや不安障害などの治療にも、薬よりマインドフルネスや認知行動療法などが使われるようになってきています(日本はまだ遅れているかも)。

 

マインドフルネスは、簡単で眼を閉じても開けてもどちらでもできます。

息を吸っている時には、吸っていることに。吐いている時には吐いていることに集中します。

吸って。吐いて。と唱えたり、

膨らみ。縮み。と心で唱えたりしても良いでしょう。 

 

雑念が湧いたら、「雑念」などと言葉を浮かべ、横に寄せるようなイメージを持ちます。

行動や湧きおこった気持ちなどに名前を付けたり、言葉で表現することを「ラベリング」と言います。

ラベリングすることでモヤモヤが対象化され、整理されたり、気持ちから寄せやすくなります。

 

日頃私達は、色々な未来のことや過去のことをざわざわと考えながら、行動をしています。

食べる時に食べることに集中する。お皿を洗う時はお皿を洗うことに集中する。

歩く時は歩くことに集中する。

 

例えば、歩く瞑想。歩きながら、右。左。と足の運びに合わせてラベリングしていけば、雑念を頭から押しのけることができます。

マインドフルネス瞑想は、まずは呼吸から。

次に日常ありとあらゆる場面で行えます。

ぜひやってみてくださいね(^-^)

 

AmazonでこんなマインドフルネスのCDブックがあります(^-^)

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

猪俣/武範
1981年5月、千葉県船橋市生まれ、茨城県取手市育ち。2006年順天堂大学医学部医学科卒業。2008年東京大学医学部附属東大病院初期臨床研修医修了。2012年順天堂大学大学院医学研究科眼科学にて医学博士号ならびに眼科専門医取得。2012年からハーバード大学医学部眼科スケペンス眼研究所へ留学。留学中にはボストン大学経営学部Questrom School of BusinessでMBA取得。2015年11月より順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科助教、2016年4月より病院機能管理室兼務、2016年11月より戦略的手術室改善マネジメント講座助教を併任し、臨床、研究、教育、経営に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

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